- OCT
- 5
- 2024
最期の1週間の想い出だよ。
僕のこの身体での、最期の1週間のお話。
〜月曜日〜
先生が「もうだめかもしれない」って思ってたんだけど、
ご近所の禅ちゃんが輸血にかけつけてくれたよ。
輸血をしたら、少し呼吸が楽になって、夜の9時には、僕はママと一緒におうちに帰る事ができたよ。
一晩中、ママがとんとんしてくれて、苦しくなったり、楽になったりを繰り返して朝になったよ。
朝になったら、喉が渇いて、お水をたくさん飲んだのが美味しかったなぁ。
〜火曜日〜
朝になって、ママと病院に行ったよ。
でも待合室にいる間に、僕はすごく呼吸が楽になっちゃって、
「もう寝ちゃおうかな?」ってなったんだ。
ママが慌てて、先生に言って、
先生たちは、大急ぎで、心臓マッサージを始めたよ。
先生たちは心臓マッサージを頑張ったけど、僕は全然、目を覚ます事ができなくて、
ママが「きゅうちゃん、もういい?もう頑張ったね?もういいかな?」って言うのが聞こえたから、
僕はもういいよ、もうたくさん頑張ったよ、と言いたかったけど、ママに聞こえたかな?
ママと先生は「きゅうちゃんはもう、頑張りすぎるくらい頑張ったね、たくさん褒めてあげようね」と言って、僕は眠る事にしたよ。
〜水曜日〜
病院の先生と看護師さんから、素敵なお手紙とお花がきたよ。
僕は、優しい先生と、優しい看護師さんが大好きだったよ。
僕は「かわいい」って言われるのが大好きだったし、看護師さんたちは、僕の事をすごく可愛がってくれて、僕はいつも嬉しかったよ。
〜木曜日〜
そらくんとさくらちゃんから、素敵なお花がきたよ。
いつも、朝のお散歩で、たくさん遊んでもらった、そらくんとさくらちゃん。
ママたちからも、おやつを沢山もらったよ。
僕は、大人気なく、若いそらくんのおやつも、おとなしいさくらちゃんのおやつも横取りしたんだけどね。
きっと怒ってないよね?
かわいいお花をありがとう。
僕は、かわいいし、かわいいお花が似合うからね。
〜木曜日〜
代々木のスタジオからみすみさんが来てくれたよ。
僕が生まれた頃から、遊びに行ってたダンススタジオだよ。
スタジオのみんなからのお花とかおやつをもってきてくれたよ。
僕は、スタジオに行って、みんなの靴下をとったりするのが好きだったんだ。
みんなが「久太朗、また会おうね」って言ってくれたよ。
〜金曜日〜
ゆうこさんとマハロさんが来てくれたよ。
ゆうこさんは僕のかわいい所を見つけてくれるのが上手だよ。
僕が、目をぱっちり開けてるところも、耳を得意げにぴんっ!と立ててるところも、気づいてくれたよ。
「意地でもかわいいままでいるね」とも言ってたよ。
そうだよ、僕は「かわいい」って言われるのが大好きだからね。
ゆうこさんが、お線香を持ってきてくれて「お線香を焚いてると、久太朗とママの魂がつながりやすいからね」と言ってたよ。
お線香を焚いたいら、ママは久々にぐうぐう寝て、僕の夢をたくさん見てたよ。
あと、ゆうこさんは「久太朗はまた絶対にママに会いにくるし、来たらすぐ分かるよ!」と言ってました。
そうだよ、僕は、また絶対に来るし、ママはちゃんとまた、僕を見つけてね。
〜土曜日〜
僕がこの身体とお別れする日。
雨だったけど、いつものお散歩コースでそらくんとさくらちゃんが見送ってくれたよ。
そらくんは手作りの折り鶴を、さくらちゃんはお手紙を届けてくれた。
馬車道では、横浜にきてからずっと可愛がってくれた本田さんが見送ってくれたよ。
火葬場には、ひとみさんが来てくれたんだ。
マメちゃんも、おやつを食べながらだけど参列してくれたよ。
いつも来てた洋服と、ご飯とおやつと、
あと「かわいい」が大事だからお花をたくさん。
旅の準備は万端だよ。
僕はまた、ママに会うために旅にでます。
絶対に、もどってくるからね。
みなさん僕を可愛がってくれてありがとう。
これからもずっと「きゅーちゃんかわいい!」って言ってくれていいからね。
それでは、また会う日まで。
久太朗 16歳1ヶ月と1日 2024年10月5日