- JUN
- 5
- 2023
「プロのタップダンサー」の境界線についての、一考察。
「本気でダンスをやりたいですか?」という問いに、「やりたい!」と答える人々。
そんな中で、
本当にプロになりたいのか?
どこまでやりたいのか?
プロってなんなのか?
多々、考える事があり、
語弊があるのを承知で言うと、一つの「境界線」的な答えに辿り着いた。
その「境界線」とは、「インプロ(即興)ができる」事。
※ 語弊がある、大前提です!!!!
① 時代
私がタップを始めた、30年前は、インプロできるタップダンサーは、日本では、ヒデボーさんと、その周辺の3名くらいのみだった。
幼少期から、本場アメリカの洗礼を受けた、ヒデボーさんのみができた技術。
今は、「世界」もだいぶ近くなり、情報はありあまるほど流れてくるので、ダンスやインプロの技術も、欧米に並び、「知らなかった」では済まされない。
現に、今の若手のタップダンサーは、アメリカに行った事があっても、なくても、当たり前のようにインプロできる時代です。
② 応用力
インプロできる、ってどんな事か?
それは、言語と同じで「もらったセリフ」だけ話せるのではなく、
「もらったセリフを練習」➡︎「自分のモノになるまで言う」➡︎
「自分の言葉として、脚色して発する練習」➡︎「自分の引き出しに入れとく」➡︎
「引き出しから、いつでもセリフが取り出せる練習」➡︎
「いざって時に、いい感じのセリフを出しちゃう。」=インプロ➡︎
「ついでに、そのセリフの、五段活用系とかも、出せるようにしとく」=インプロ➡︎
「相手との会話の中で、引き出しになかったモノも、うっかり出てくるようになる」
etc,etc,,,,,,,,
➡︎「コミュ力のアップ」。
ただ1つの「セリフ」を覚えるだけじゃなく、「適材適所で、そのセリフを、適した形で出す、応用力」も身につけておく、という作業がインプロだと思う。
③ 表現者の意識
そして、なぜ「インプロが境界線なのか?」
「本気でやりたい!」といいつつも、さほどやってないじゃないか?と思ってしまう例が多々ある。
ただ「受け身」で居て、もらったものだけ、受け取るとか、
「言われた事だけやる」ような人は、どこまでいっても「生徒レベル」だと思う。
1つもらったら、10に膨らませないと、
1個の疑問があったら、100個、答えを探さないと、
と、そういう気持ちのある人が、表現者となりうると思うし、
そういう気持ちのある人は、ただ「振り付け」をもらったら、それを練習して、「はい、できました!」とはしないはず。
もらったステップや振り付けを、ひたすら自分の言葉になるまでやったら、自ずと、その人のダンスは、他の「ただ言われた通りやる人」とは、大いに異なってくる。
そういう意識のある人と、そうでない人の差は、お客さんが見分ける。
ただの上手な生徒なのか?表現者なのか?お客さんが見分ける。
プロタップダンサーの境界線の一考察。
私は、なんでも「インプロ」でライブやショーをやるのは大反対だ。
インプロができるジャズマンやタップダンサーは、即興に頼ってライブをやりがちだけど、それはそれで、「ジャム(セッション)じゃないんだから!!」と言う声が上がってくる。
ただただ、即興でソロ回しをするようなライブは、観客を置き去りにして、演者だけが楽しんでいて、それは、ジャズやタップが「わかりづらい」と言われ、敬遠される原因になりがち。
それでも、最低限、そこまでは、できるようには、なってないと、ダメじゃないですか?
※ 「最低限」のことです。
もう、アメリカは遠くない。
もう、情報は、行き渡っている。
日本で学ぶだけでも、世界レベルの人は多い。
結局、もらったものを、もらっただけで済ませないで、
ちゃんと、人と対話できるレベルまでやる!となると、
結果的に「インプロできるレベルまで練習しとく」という話になると思う。
それをやってない若者は、なんで?という違和感が絶大だし、結局、教えてもらいたいだけか、となるし、どこまでいっても表現者とはなり得ない気がする。
私たちの上の世代のタップダンサーは、「インプロなんてできない」とおっしゃるかもしれないけど、
実は、多分、そんな事はなくて、
膨大なステップや振り付けの経験から、
その引き出しから、
「実は、いざとなったら、何かしら出す!」と思う。笑
多分、そこまで、やってるはず。
プロと名のつく人たちは、やってるはず。
そして、今の若者には、生きづらいのかもしれませんが、ユーチューブ等で、なんでも見れちゃう今、「知らなかった」では済まされない。
「インプロできるくらいやりこんでない」のであれば、本気とは言い難いし、
その程度の人が踊る「振り付け」も大した事ない。
と、なってしまう。
という、一考察。
ps) Goki君がんばってください。笑 ⬅︎結論、ここかぁ、、、www
りずむK