- OCT
- 3
- 2015
私が「見失った」時
なぜ、今これを、書くのか?は解らないけど、書いてるうちに、自分にとって、大切な事を、思い出す事が多々ある。
私は、過去に一度だけ、ダンサー・ミュージシャンとしての自分を見失った。
それだけは、もう二度としない!!と決めている。
何があろうとやらないと思う。
ニューヨークから帰国して、私がやりたかった事は「バンド」。
だから、まずボーカルを探した。
老沼祐貴に出会い、こいつだ!!と思って、始動。
最初の1年は、ストリートで、やり続けた。
上野駅とか、東京駅でライブをやっていた。
駅のライブだから、JRで人の流れをカウントできる。
30分間のライブで、200人以上のの通行人の足を止めていられる様になるまでは、ライブハウスとか、チケット売ったり、知り合いしか、見に来ない所ではやらない!!決めていた。
「路上ライブ」など、珍しくもない、昨今、200人以上の足を、30分間、止めている事は簡単な事じゃない。
そういう、おもいで創ってきた「平和の森」というバンドは、常に才能も個性も豊かな、素晴らしいアーティストに恵まれて来た。
ベースとピアノが決まり、バンドの形が決まってくると、沢山のスペシャルゲスト(津軽三味線、サックス、ブルースハープ、ギター、ビオラ、ボーカルなどなど)も集まって来た。
才能とエネルギーのある人達に囲まれて、モノを創るのは、幸せだ。とても幸せだ。
才能とエネルギーのある人は、往々にして、ワガママなので、リーダーは大変だけど、それも、人材に恵まれている事には、代え難い。笑!!(まじで)
私が、自分を見失った時。
それは、こうやって、創って来た、バンドと人材の大切さを、見失いかけた時。
タップダンス業界には、とても、お世話になってきたし、なっている。
例えば、タップダンス業界を代表するイベント「ナショナルタップデー」。
30人以上のアンサンブルを創るという、かなり貴重な経験をさせてもらった。
私は「素人(生徒さん)」を理解していなかったし「ナショナルタップデーというイベントの趣旨」も理解していなかったので、主催の穴田さんには、大変(かなり、相当)迷惑をかけた。
まず、素人さんが舞台に立つのに(立たせてあげるのに)どれだけの事を教え無いといけないか?を理解していなかったし、
日本の生徒さん、解ってなくても言わ無い!!というショック!! 笑
笑い事じゃなかった。
本番が近づくにつれて、多くの生徒さんが、かなり解ってないのに、黙ってた、という事が明白になってきて、穴田さんが手伝ってくれて、ギリギリで仕上げました。(過去に例が無かった、時間外でスタジオを取ってもらってリハを追加した。)
そうやって、できたのが、このタップデーのオープニングアンサンブルです。
よく見ていただけると、解りますが、かなり、プロが混ざってます。
沢山のプロの方(30名中、8名くらい)手伝っていただきました。
終わってから、穴田さんに「いやいや、ご迷惑おかけしました」って言いながら、話をしました。
穴田さんは、良い結果を一緒に出せて、お客さんも喜んでいたので、と寛大な対応をしてくれましたが、私は、思いました。
私の理解も足りなくて、本当にご迷惑をかけたけど、、、
そして、穴田さんが言う様に「千人の大観衆の拍手」は凄いけど、
私が、やりたい事は、これではない!!という事に気づいたのです。
沢山の人が、スタジオを経営して、生徒を育てて舞台に上げる!!というこの大変な作業をやっているのは、凄い!!!と思う。本当に凄い!!!
ただ、私は、千人の大観衆に囲まれなくても、凄い小さい、ジャズのライブハウスとかで良いから、本当に自分が好きなアーティストと、刺激しあって、モノを創って行くのが幸せだと思った。
みんなが、みんな、育てる役じゃなくても良いと思う。
東京なんて、ダンススタジオ飽和状態だと思うし。
ここだけは、見失わない様にしたい。
生徒が出れる場所がいっぱいあるのは、素晴らしいと思うけど、
「生徒が出れない場所」を私は守って行きたい。
アーティストの居場所がなくなってしまうから。
そして、生徒ばっかり、多く集まってくると、バンドメンバーのモチベーションが下がって来ちゃう!!という事も忘れたくない。
アーティストのモチベーションが下がってくると、ストリートから、何年もかけて、培ってきた、お客さんも離れていく。
そうやって、本物のアーティストが離れて行かないようにしなければならないし、ストリートから、私たちを、見守り、育ててくれたお客さんが、離れて行かないように、しなければいけない!!!
と、心に決めた。
PORIが「なんなんすかぁ?あの、速さは???」と言った台湾の作品。
台湾で、1週間でこれを仕上げる事ができたのも、(上)
その翌年、3日間で、これを創って、教えて、仕上げる事ができたのも(下)
全部、ナショナルタップデーのアンサンブルでの、経験が生かされての事です。
ナショナルでかなり、先生が至らないので、生徒にも迷惑をかけた。
そのぶんだけ、学んだ。その結果が、このスピード作品 笑。
この経験でした、沢山の色んな意味での「痛い思い」は忘れないでいたいし、
この経験をさせてもらったから、今の私がある、という事も忘れないでいたい。
りずむK
一晩、明けて、読み直して、自分が書きたかった事、やっと、思い出した。(笑)
あのね、私、この後、TRBスタジオやめたけどさ、穴田さん、嫌いじゃない。
「飲みに行きましょう」とかのメールの文面が、硬すぎて、笑うけど、、(仕事と遊びの硬さが、同じ。笑)
ただ、スタジオを辞めたのは、目指してる方向性が違うと、スタジオにも迷惑をかけるし、私も自分も見失う、と思ったから。
ナショナルタップデーは「生徒さんのためのモノ」って事がよくわかったし、厳しくしすぎて、生徒さんが嫌になっちゃっても困る、って事もよくわかった。
穴田さんは「りずむちゃんは、損してるねぇ〜。もったいない」と言ってくれるけど、私は、別に損してないと思う。
穴田さんも別に、得してないと思う。
価値観が違う、目指すモノが違うという事だ。
実は、私「りずむちゃん、損してるね〜。もったいない」とよく言われます。
「僕/私、はわかってるけどねー。もったないなぁ〜」みたいな。
その瞬間に、その人から、離れるように、しています。
私と、価値観が違う、って事だから。
思ってくれるのは、ありがたいけど、その「得」らしき、エリアに、行きたくない、と思うから。
りずむK