眼瞼けいれん、ジストニア治療の道のり

私自身が10年間、苦しんだ、
「演奏家に多い」と言われる病気の、手術と治療について記しています。

手記3 オペ1「頭蓋骨をぶち抜いて、電極を入れ込む」の巻

「42年間で、これ程、不安で恐怖の日があっただろうか?」という程怖かった...

2015年 1月29日 (木曜)
「頭蓋骨をぶち抜いて、電極を入れ込む」

〜 未体験エリアの 恐怖と苦痛と痛みとの遭遇 の巻〜

オペ日の朝。
オペ前←気休め「麻酔テープ装着中」の図  

ネジをねじ込む、おデコの部位に「気休め、麻酔テープ」装着。
なんとか、気を休めて、待機中。 ←少しも休まらない。

「42年間で、これ程、不安で恐怖の日があっただろうか?」という程怖かった。
けど、現実は、その想像を遥かに超えました。
朝8時 私の病室の隣 「516号室へ」
(もう 一生 「516」という数字を 見たくないです)
ここで、脳のオペ中、「頭が絶対に、動かないように固定する」為に必要な、「鉄の輪っか」を装着

★ おでこに、2箇所と、後頭部、2箇所に局所麻酔。

★ 麻酔が効いてきた頃、「鉄の輪っか」を頭に装着。

※局所麻酔の部分に、小さな穴をあけて、ネジをギリギリ ねじ込みます。
※ 寸部の狂いもないように、4人がかりで「輪っか」を持って、「せーの」で ギリギリ ギリギリと おでこと、後頭部の穴に、ネジをねじ込みます。
(「麻酔って何?」というくらいの、痛みです。自分は「痛みに、そこそこ強い」と自負していましたが、相当な叫び声をあげました。)
↑ ↑ ↑ ↑
これに、関しては、フランケンが十回くらい言っていた、「ギリギリ」の説明は正しかったです。

★ その時「世界の平」先生の 奇怪な言動 (2つ)

1、右後ろを おそらく「外国人の学生」(「アブラハム」と命名)と思われる、 おどおどした学生(多分、学生)が支えていましたが、
彼の支え方が、悪かったらしく、「ボトムズ アップ!! Bottoms UP!!(「右後ろもっと上」という意味だと思います、)と何度も叫ぶ。←平先生です。

※「ボトムズあっぷ」=「グラスを空けろ!!!」=「乾杯」です。
(私は、未体験の想像を超える、痛みを感じならが
「この局面で乾杯!とか無いから!!!!!!!」
もしも、この場面で、間違いがあったら、
「この痛み、もう一度やり直し!!」とか無理!!!』と 思いました)

とりあえず、この場面での、「乾杯!!!」は無いです。

2、上記の、凄まじい痛みで、おデコに4人が同時に「ネジをねじ込んでいる間」に、金槌みたいな棒で、「輪っか」をガンガン叩く。「世界の平」先生。

(これは、「この輪っかに 金属とかが当たると こんな音がしますよぅー。」という説明だったみたいですが、「今? それは 今?やるの? 頭にネジをネジこんでるだけで、十分痛いけど、それ、今やる??」と思いました。

今、考えても、あれは、あの時やる必要、一切無かったように思います。

ー「第一 関門 通過」ー

頭「鉄の輪っか」の図。

 

頭に「鉄の輪っか」つけました。
※ 他の患者さんのブログ見たけど、みんな「この輪っか着けたら、とりあえず写真撮る」っぽかった。(2度と着けないよ!!!という願いも込められています)

午前9時 輪っかを装着後、MRI & レントゲンを撮影に行く。

(ここまでで、すでに、疲労困憊 )

午前10時 オペ室へ。(始まる!!!)

★まず、頭部の4箇所(切る場所)に 局所麻酔。 (想定内の痛み)

★ そして、切開。「カリカリ カリカリ」と、棒で頭をひっかいてる程度の感覚。

(「行ける!!」と思った)← 間違いです。

★「ちょっと、嫌な音しますよぅー」

「輪っか」装着時に、「金槌」で、シュミレーションした音かな????

1、きゅいーん、  (行けるかも) 

2、ガリガリ ガリガリ (頭の骨を、削ってます) (げ、何これ?!!!)  

3、ガガガがががががががががががががが!!!(完全に頭の中が、工事現場の音)(多分、やってるの、フランケン!!!または 竹田せんせい。)

※ 思わず、歯を食いしばりましたが、すぐに、ダメだ!!「歯が欠ける」と思って、口を開けました。

↑ ↑ ↑

「ちょっと嫌な音しまよぅ~」とかのレベルに非ず。

しかも、「痛い」なんて、もんじゃない!!!!

※ 麻酔は、効いてるけど、「こめかみ」とか 麻酔の聞きにくい場所があるのと、 どうしても、振動が伝わるので、麻酔が効かない場所が「激痛」です。

★「保戸塚先生の手、握ってて、いいからね~」←平せんせい。

保戸塚先生 優しそうな若い先生、手が毛むくじゃらにつき、「クマさん」と命名。(自称、女性の扱いが上手な 「ウーマナイザー」

 

「腕が毛深い、クマさん」の図

 

手を握っててくれた、保戸塚せんせい。(クマさん)
手を握っててくれたのに、「毛深い」とか余計な事、言われる。
保戸塚せんせい、ありがとう!!! ごめんね。笑。

※「痛みの具合とか様子を、いつでも言ってね、」と、言われたけど、凄まじい音で、どんだけ 叫んでも、聞こえないので、手を握ってる、先生がいると 多少、「痛み」とか「訴え」が伝わる気がします。気のせいです

(とりあえず、握っている手が、毛深い事について「毛深い?」と言ってみる)←気休め。 

★ その頃、(多分、竹田せんせいが、頭やってる時) 私の頭上で、フランケンがアブラハムに、「今なにをしてるか?」とか説明中。

(あんまり、聞こえないし、知りたくない!!!)

※「学生の研修は ヨソでやってくれ!!」 という、心の叫び。

※プラス、忙しいさなか、アブラハムは 平先生に 「Don’t touch on the table 』 と、3回くらい怒鳴られてました。

(っていうか、アブラハム!!! 机に触らないで!!!)

そして「世界の平」先生、文法、間違ってる気がします。

それより、アブラハム、日本語ペラペラになってから、オペ室に入ってきて!(涙)(多分、インドの方です)

★ そこからは「頭の中、絶賛!!工事中!!!」×3時間強。

(実際は 2時間8分。←フランケンこと堀澤せんせいの情報)

もう「痛い」しか出てこない。 ←そして、もう、誰も、聞いていない。

★ なぜ「全身麻酔」でなく「局所麻酔」か?というと、

「脳の深部の、ミリ単位の場所にチューブを植え込むので、

植え込んだ状態で

「ちゃんと 手が動くか?」とか

「ちゃんと しゃべれるか?」」など確認するため、

と聞いていましたが、3時間の中で、それをやったのは、3分~5分。(多分)。

「その3~5分以外は、全身麻酔で寝てても、良かったんじゃないですかぁ!!!!」 という気持ちは、拭い去れません。 ←ダメらしい。

★「ほんとーに 痛かった!!」 しか 出てこない。

手を握ってる係の「クマさん」の手にも、相当な傷と爪痕を残したことでしょう。

(クマさんは、後に「相当、手、握られた」とフランケンに言ったらしいです。笑)

★脳のチューブは、左右両方に入れるので、頭は左右両方切ってるのですが、途中から「左右同時に工事現場」になりました

※(実際には、「工事」は両方同時は、しないそうです。 

 多分、片方が終わって、もう片方、縫ったり、チューブをしまったりしてる間に、反対側が始まった←なんだか、わからないけど、どっちも痛い。) 

「ガガガがががががガガガががががアガあああああ!!! 」

「痛あああああああああい!!!」

「どこが 痛い???」

「右 上ええええええ!!!」

「がががががががががががあああああああああ!!!!」

「痛あああああああああい!!!!!」

「どこ?」

「左のコメカミ!!!!!!」  とか です。


 

※「極限状態」の時、人は何を想うか?とか、自分でも謎です。

私の場合、、

「乱交パーティー って こういうの ですか????」と言う、想いが頭をよぎりました。←それを 言う余裕など、もちろん無いし、言わなくていい。「乱交パーティー」に行った事もないです。

「SMの現場」っていうか、← SMの現場も知りませんが、、

「いろんな 所から手が伸びてきて、誰が何をやってるのか わかない状況で「今、何してる時間ですかぁ?」と聞き続ける」みたいな状況で、なぜか

「乱交 パーティーって、こういうの???」という想いが、頭をよぎりました。

「苦痛でしかないので、一生、乱交パーティーには、行かないぞ」という 意味不明の決意もしました。(余談です)

★ 3時間強(実際は2時間8分)の、苦しみの末に、ようやく「痛いの終わりですよー」という時間がやってきました。


 

 

ー「第二 関門 通過」ー 

午後14時前  オペ室から、再び、レントゲンとMRI を撮影して、病室にもどる。

★ ここで、ようやく、1日苦しめられた「輪っか」外します。 

※ つけるときは ネジをねじ込んだから 痛かったけど、

「外すだけ!!! やったぁ」と 楽観視していました。 大間違え

※ 装着する時と同様の、激しい痛みで、ギリギリ ギリギリ 「ぎゃああああ」 と叫んで、ようやくネジが外れました。(ふぅ、、と横になる)

※ ホッとしたのも 束の間

「今日1番かも???!!!」という痛みが、頭を襲ってきました。 

先生いわく、、「ああ、おデコに 穴あけたからね、、」だそうです。(おデコに2個、後頭部に2個です)

「輪っか」で圧迫されてたのが、解けて、リアルな「穴の痛み」の襲撃。

※ 先生は、さらっと「点滴で痛み止め流すから、待ってて~」と言い残して 去っていきました。←これは「クマさん」です。

※ 点滴がきて、15分~20分くらいの間、痛みでベッドの柵に、しがみついていましたが、やっと眠りにつくことが、できました。

★「翌朝までは絶対安静!!! 頭を動かさない!!!」(安全のため) ということで、 そのまま 翌朝まで 眠りました。

「オペ後、疲れ果てて寝る」の図。 

1個目のオペ終了。
疲れ果てて、寝るの図。 
「痛かったぁ?保戸塚せんせいの、せいにしていいからねぇ」by(平せんせい)

ー「第三 関門 通過」 ー

1月30日 (金曜)

朝9時半  「大名行列」再び。

平せんせい 「どうですかぁーー?」

りずむ「はぁ、、」←疲れちゃって「はぁ」しか出てこない。

平せんせい 「痛かったぁ?」

りずむ 「痛かった、ですね、、笑」← 笑う余裕が出てきた。

平せんせい「保戸塚先生のせいにしていいからねぇ。」←平せんせいの好きな言葉。

(「保戸塚先生」は「クマさん」です。)


 

※(私の思考)

「とぼけてるなぁー。世界の平せんせい。

でも、先生のニコニコで、安心するなぁ」と思いました。

(物凄く、安心します)

「フランケン」は一番後ろで、185センチを、小さくして、隠れています。 (だらら、お疲れなんです!!フランケンは!!)

「アブラハム」は来ないで良くない?」と思うけど、来てました。

(↑ ボトムズアップを多少、根に持っています。)

(昨日と違う、アブラハムかも??? 昨日の「アブラハムJr.」(学生)で、今日の「アブラハム、シニア」(先生)、共にインド人、な気がする)

朝10時 「大名行列」が去った後、始めて、自分で鏡を見ました。

※ おでこの穴、バンドエイドで、雑に貼ってあります 

(血と体液がにじんでますけど、、、)  

※ 頭の切開もまた雑に、ガーゼが「ぺっ」っと貼り付けてあります。

しかも自毛で「駅弁」みたく包まれてます。(「自毛作「駅弁スタイル」です。)

(保戸塚せんせい作)

「雑に貼られた、絆創膏の図」と、

ガーゼを自毛で包む「自毛作、駅弁スタイル」の図。

 作 保戸塚せんせい。

 

保戸塚せんせい作 「ガーゼの自毛包み、駅弁スタイル」の図。 
なんでも「保戸塚せんせいのせいにして、いいからねぇ〜」笑。

「自毛作 駅弁スタイル」包み。とか、器用です。
だけど、とる時、傷と髪が引っ張られて痛いので、他のやり方でもいいです。

左右の道路工事、終了後の図。 
私が「フランケン」っぽくないか? 

最大の山を、乗り越えました。(多分)

そうであって欲しいです!!

次のオペは 2月6日。 

胸に ペースメーカーを入れるだけです。

しかも!!!「全身麻酔!!!」

麻酔が切れたら、痛いのは、覚悟するとして、

「この、脳の手術よりきつい!!」って事は、ないと思います。


 

「辛い怪我や病気」を、経験した人に、私は「2種類の人間」がいると思います。

1、「自分の経験が全て」と思ってしまって、人が辛い時に、わかったつもりになってしまう、無神経な人。 と

2、自分が、辛かった事を経験に、「人の辛さは計り知れない」という、思いやりで、人に接する事が出来る人。 

の 2種類です。

私は「後者」でありたい、と思います。

2015年 1月29日の記録。

PS 今年いっぱい、国内外で何が起きても!!

「保戸塚せんせいのせい」にして、生きて行きたいです。 

「世界の平」せんせいが、

「保戸塚せんせいの、せいにして、いいからねぇ〜」って、たくさん言ってたし。

↑ ↑ ↑

すごい「ツボ」です。